EXILEとコラボする 出雲の「たたら」 そこには本物が本当に存在するのか
そもそも「たたら」ってなんでしょうか?
うらめしや〜
それは「たたり」です。笑
「たたら」とはもともと”ふいご”を意味するものだそうです。
(ふいごってなに? って感じですが、おっきいイチジク浣腸みたいな形をした火に風を送る道具です。)
そして、鉄を製錬する炉、そしてそれを収める大きな家屋、つまり高殿もぜーんぶひっくるめて
「たたら」
というようになったそうです。
ジブリにも出てくる「たたら製鉄」
「たたら製鉄」は大量の砂鉄と木炭を必要とします。
これらが豊富だった奥出雲地方では古代より製鉄が盛んでした。
そこでそこで産出される最高級の鋼
「玉鋼」
玉鋼とは日本刀の材料として用いられ、たたら吹きによりつくられる和鋼です。
玉鋼は現在の最先端技術の溶鉱炉をもってしても
作りだすことができません。
あのジブリの名作「もののけ姫」にも「たたら製鉄」が登場しております。
どのシーンかというと、
たくさんの女性が息を合わせて板を踏んでいるシーンです。 あれがつまり"ふいご"の足で踏むバージョンですね。(踏みふいごと言うそうです)
あれで火に風を送り鋼を作っているのでしょう。
そしてそして、 島根県仁多郡奥出雲町は 全国で唯一、今も「菅谷高殿」が残っており、これらは1751年から約170年間の間創業が続けられ、 大正10年に幕を閉じました。
その間、世界一とも言われる高品質な玉鋼を作り出してきました。
現在仁多郡奥出雲町にて国の伝統技術継承事業として日立金属が受託しており、
年間数回しか操業されませんが、今もなお生きています。
また、菅谷高殿は保存回収工事を2014年に終了しておりますので、現在は見学することが可能です。
玉鋼は鋼の中で最高級
たたら吹き一回で産出されるうちの1割程度しか取れない品質の良いものが、1級Aとされます。
不純物が少なく炭素量と鍛錬時の介在物分散性が日本刀作りに最適です。
日本刀一振りを作るのに、必要とされる玉鋼は完成品の約10倍もの量が必要言われています。
そして、
玉鋼を作る工程は三昼夜、約70時間かかると言われます。
たたら作業の技術責任者は村下といわれ、 長年にわたって高温の炉内を直視するため、村下の眼は強い光によって衰え視力を失うに至るそうです。
そのような過酷で誰もがなせる術でない故に 世界一の品質を誇っていたのでしょう。
日本刀は素材も MADE IN JAPAN だけ
日本刀は 仁多郡奥出雲で産出される砂鉄、いわゆる和鉄を使用したもののみが日本刀として製造されることを許されています。
この砂鉄から生まれる鉄は、現在の製鋼法の主流である鉄鉱石と還元剤にコークスを使用して作る洋鋼材に比べて粘りがあり不純物が少ないため、鍛接しやすく 熱を加えることにより硬く、曲がらず粘り強くできるのです。
そしてサビに強く、焼き境が明瞭に出るので、日本刀など刃文が綺麗に描かれる特徴があります。
反対にステンレス鋼は錆びないかわりに硬度は低く、研ぎづらいのです。 つまり、研ぎやすく硬い純粋な和鋼は切れ味も勝るのです。
是非とも一家に一つ、和鋼の包丁なんていかかですか?
「ヤスキハガネ」で検索すると沢山ヒットしますよ。
そして、「青」とか「白」とか1号や2号など種類があり、なんのこっちゃいなって感じになるとおもいます。
号数の違いは硬さの違いです。普通に使用するには2号で十分だとおもいます。
白2号とか青2号を買えば間違いないのでしょう。
どうして、たたら製鉄とEXILEがコラボしているのか。
すこし前からEXILEメンバーが「島根には本物がある!」というふうに公式サポーターを担っています。
それはなぜか?
出雲大社ブームに乗っかっただけなのかと思いましたが、違いました。(EXILEさん失礼しました。笑)
それは
映画「たたら侍」
がきっかけとなっているんです。
映画『たたら侍』の物語の舞台は、 八百万の神々が集い、
日本文化発祥の地ともいわれる出雲の国。
大国主による国造り・国譲りの神話が生き続ける日本の原点です。
そして島根県出身の映画監督 錦織良成監督の作品
映画『渾身KON-SHIN』
この『渾身KON-SHIN』をきっかけに、 EXILEのリーダーHIROと錦織良成監督は出会い ました。
二人は
「しっかりとした歴史観をもって人びとがワクワクドキドキし、
日本を誇りに思えるような時代劇を一緒に撮りたい」
と意気投合。 そうして日本の心を中心に据えた日本映画制作に向けてスタートを切ることになったそうです。